ドキドキするイザリ漁を体験
イザリ漁とは
こんにちは、沖縄が大好きなモサタルです!
今日は、私の地元・沖縄で夜な夜な静かに行われている
知る人ぞ知るイザリ漁とかイジャイ漁と呼ばれる漁の話しです。
それは、潮の満ち引き、時間、風の強さ、月の明るさも関係してくるため、タイミングが合わないと行けない『夜の漁』こと。
イザリ漁は、潮が引いていく時か、満ちてくる時か、どちらかのタイミングで海に降りて2時間前後、干潟の海を歩くんです。
基本的には、大人の膝下程度の干潟を歩く漁なので、完全に潮が引くとエビが砂に潜り出てこないのです。
イザリをする海の昼の姿です
イザリ漁をする海の昼の姿はこんな感じです。
遠浅ですが、貝やタコ、ウニなどをゲットしました。
ちょうど、写真はお握りのもぐもぐタイムです。
このお握りは、ただ握っただけで、味付けは海水なんですが、これがまた美味しいんです。お米の甘味を感じる塩味がたまりません。
イザリに行くためなら頑張れる
私は子ども頃からこのイザリ漁が大好きです。
小学生の頃から条件が合う週末が来ると、イザリ漁に行くために早起きや宿題を頑張ていたし、
沖縄を離れて進学、就職するなかで、忙しくて休めない中でも、時間を作り夜の海に行っていました。
そして、自分に子どもが出来たら、いつか一緒に連れて行こうと決めていました。
それほどまでに海が大好きな私、実は「カナヅチ」なんです・・・。
いつも驚かれるのですが、小中学校にはプールがなかったし、私の好きな漁は潮水が引いてから始まるので、胸の高さまで水がくるとほんと焦ります。
足がつくところでのシュノーケルなら平気なんですけどね。。。
沖縄には私のように泳げない人は結構いるんですが、それはまた別の機会に書けたらと思います。
いざ!出発です
話しを戻して、時刻は夜の9時。
そう!ついに、願いが叶ったのです!
普段なら絶対寝ている我が子も、めったにしないお昼寝をしていざ出陣!
ここは、沖縄の離島という立地もあって、街灯がないんです。
月のない闇に向かって「巨大なプラネタリウムかーい☆」と叫ぶと
闇の中から「そーだよー」と聞こえそうなほどの大自然!
暗闇の中、出発して海に着くと、そこには降りそそぐように静かな広がる
満天の星空が☆★✫
空に「手が届きそう」と表現する人の気持ちを久々に思い出しました。
そもそも子育が始まり夜空を見上げたことがあったかな?と…、
思い返したけど、都会の夜は明るくて夜空を意識したことがなかったです。
子供達もドキドキと闇の怖さで緊張していたものの、目が慣れてきてエビや小魚を見つけだすと、もう夢中。
潮が戻りだすと、エビが砂から出て来てくる!出てくる!状態。
実は、エビが海水浴している砂浜にいるなんてこと、地元沖縄の人でも知らない人が多いし、ましてや「イザリ漁」のこと知ってる人は少ないはずです。
暗い中、ヘルメットのライトに目をこらして集中すると、エビの目がオレンジに光るんです。
「エビの目」を見分けられるようになると、アッチもコッチもエビだらけで…、ゾクゾクして、快感になるはずです!
どうやって捕まえるかというとセミとりなどに使うタモで捕まえます。
6才の娘は、私の野生の血を継いだようで、闇夜を恐れることなく、たくましく一人で捕まえていました。
3才の息子は暗さにビビりながらも、フワフワ浮いて逃げない小魚を網ですくって、金魚すくい状態。
同じ親から生まれて、同じように育てても個性って違うんだなぁと感じる時間でした。
運が良ければ渡りカニやタコも獲れるのですが、今回はいませんでした。残念。
これは昼に捕まえたタコです。
見慣れた海で不思議発見
そして今回、長年お世話になっているこの海で「不思議発見!」
ヘビのように泳ぐ小さな魚がたくさんいるんです。
ウミヘビとは色も生態も違うのでヘビではなさそうだし…、始めは分からず、母に聞くと「ここ数年、ウナギの稚魚がたくさんいるのよー」との情報でした。
子供の頃から見てきて海の生態系が大きく変わっていることは気づいていますが、ウナギの稚魚に会うのは初めてのでした。
ウナギの稚魚は大きくなってからの再開を願いつつ、ちゃんと逃がしてあげましたよ!
今回は風も強くてタイミングがよくないけど、諦めきれない私がムリをいい、短い時間にみんな揃って集中。
約30分間でこれだけ『とったどー!』の結果でした。
地元の定番の食べ方です
この日の夜は遅かったので、エビや小魚は翌朝から揚げにしてもらい、子供のたちにとっては贅沢な朝ごはんになったはずです。
朝から「から揚げ」、これが定番の食べ方で、お弁当にも入れていくほど定番です。
暑い沖縄、料理がいたまないためと教わっているけど、油であげる料理が多いんです。
自分で捕まえる貴重な経験
なかなかできないワイルド体験、自分で探して捕まえたものを食べるという経験ができたことは、これからを生きていく中で、まだ幼いけど、心に記憶してくれたらいいなと母の細やかな願いです。
ちなみに、エビは頭と皮を取り、海の水で洗ってその場で食べるという、贅沢食べも!
塩水が甘味を引き立てて、なかなか味わえない新鮮な味です。
島ちゃび
島ちゃびとは、離島であるための不便な思いや苦しさのことをいいます。
この島はコンビニも映画館もファミレスもない、
人口1500人程度の過疎化が進む離島です。
だから、自分たちで食べるものは自分たちで調達し調理するのが基本でした。
現在は流通面がだいぶ良くなっていますが、それでも都会育ちからするとビックリな田舎です。
だって、作りたいメニューがあっても、食材が揃わないなんて日常ですもの。
しかも船で届くものは物価が高いし…。
生きることは食べること
現在私は無農薬で作物と向き合い、食育も兼ねて、子供にも無農薬栽培に参加してもらっています。
生きることは「食べること」の大切さを教えるためです。
住んでいた頃は正直「何もない小さな島だな」と思っていたけど、今では「大きなものを与えてくれた偉大な島だな」と誇りに思いっています。
島で同居していた、ひいおばーが「身体にいい食べ物のことを沖縄では『ぬちぐすい』と言うんだよ」と口癖のように言ってのを、母になってからよく思い出します。
当時は子供だったから何とも思わなかったけど、おばーからの大切な教えだったんです。
「ぬちぐすい」とは「命の薬」という意味。
壮大な意味を持っていたんですね。
親になったから意識しと思っていた「無農薬」への考えは、もしかしたら幼き頃、すでに種を蒔かれていたのかもしれません。
『ぬちぐすい』
やっぱり、食べたもので身体はできている。
今度は私が子供に伝える番がきたようです・・・。